アバントグループ環境方針

会社を社会の公器と⾒なす⽇本的経営観に⽴脚した企業活動を「100 年企業の創造」と表現し、創業以来のグループ企業理念としています。100 年企業の創造は、経済活動・環境保全・社会的公正がバランスされた持続可能な発展を通じて実現可能であり、そのためにアバントグループでは以下のような環境⽅針を定めています。

環境法令等の遵守

環境に関する法令・規制等およびステークホルダーとの合意事項等を遵守し、適切な対応を⾏います。

環境⽅針の周知

グループ社員⼀⼈ひとりの環境への意識を醸成し、⾃らが環境保全活動を遂⾏できるよう、教育・啓発活動を⾏います。

環境保全活動の推進

⾏政機関、地域や関係団体等との連携を密にし、グループ社員⼀⼈ひとりによる気候変動対応や資源循環推進、⽣物多様性保全活動などを積極的に⽀援します。

ステークホルダーとのコミュニケーション

持続可能な社会の実現を⽬指し、ステークホルダーとの相互理解や、積極的な情報開⽰に努めます。

本⽅針は株式会社アバント(現:株式会社アバントグループ)取締役会において2020 年7⽉22⽇に承認されました。

2020年7⽉22⽇
株式会社アバント
代表取締役社⻑ グループCEO
森川 徹治

気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)に賛同

アバントグループが創業来の経営理念として掲げる「100年企業の創造」は、変化の激しい市場環境に対して適応能力の高い自立した組織による継続的な事業成長の実現という、サステナビリティ思想を反映するものです。会社は利益を追求さえすればよいのではなく、社会や環境とのバランスの中で持続可能な企業価値創造を、アバントグループとしてどう実現していくかを常に考えて行動しています。アバントグループは2020年8月25日に国連グローバル・コンパクトに署名、2021年12月22日には気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言に賛同しました。これを契機として、サステナビリティを実現するためリスクアセスメントを行いながら、グループとして対応できることを考え、実施していきます。

ガバナンス

森川代表取締役社長グループCEOが主管となり、気候変動やその影響、対応策についてはアバントグループのIR室とCRM委員会が情報収集を行い、その対応について議論する体制とします。取締役会定例のCRM委員会報告やグループ経営会議の中で気候変動に伴う機会とリスクについて議論し、今後の方針を策定、進捗を監督します。

戦略

[移行リスク対応]

アバントグループの電力・ガス購入費用は2022年6月期において約20百万円であり売上高の0.13%に相当しますが、コロナ禍での実績であり、事業活動が平常化した場合、0.2%程度が適正水準と考えられます。温室効果ガス排出規制の強化により代替エネルギー購入を余儀なくされる場合、電力・ガス料金の単価上昇により業績に機微ながら影響を与える可能性があります。今後、温室効果ガス排出量(Scope1~3)を2017年6月期比50%削減を目指し、カーボンオフセット等を利用していきますが、2022年6月期においては売上高の0.03%にあたる金額をオフセットに充て、今後もこれを下回る水準でオフセット枠を積上げていく計画です。オフセットのクレジットは有限であり、数多くの企業が同様の方法を採用する場合、想定された単価、数量でオフセットクレジットを確保できなくなる可能性があります。

[物理リスク対応]

IPCC第5次報告書を受けた環境省の「気候変動による災害激甚化に関する影響評価(中間報告)」によると、海面水温の上昇によって海から水蒸気が台風に供給されやすくなること、気温の上昇によって大気が蓄えることができる水蒸気量が多くなることが主な要因として、台風は現在よりも強い勢力を保ったまま日本に接近し、関東・東北地方により多くの雨をもたらす可能性が高くなっています。温暖化に伴う降雨量の変化や潮位の変化について、2%、4%上昇時のシナリオは設定されていますが、2019年の台風15号のように、こうしたシナリオや、50年に一度の想定リスクを上回る規模の台風が関東を通過、送電システムが破損した事象はすでに発生しているのが現実です。アバントグループでは、このようなシナリオに沿った対策をとるよりも、考え得る最大クラスの災害発生を想定した対応を採用することにしております。

アバントグループにとっての最大のリスクは、(1)激甚災害により従業員の安全な居住・勤務環境を維持することが難しくなること、(2)お客様へのサービスの提供の継続性が失われることと考えております。特にアバントグループの提供するサービスはお客様の決算情報の作成、経営判断に貢献する情報の生成と開示という、企業の存続にかかわる重要な情報の形成に広く貢献しておりますので、アバントグループのサービスの継続性は非常に重要な問題です。こうしたリスク対応については、CRM委員会で適性なBCPを検討し、その経過を取締役会に報告することとします。

[機会への対応]

他方、お客様がこうした気候変動への対応として、組織内における温室効果ガスの発生につながる経済活動を見える化し、対策を講じ、ステークホルダーとコミュニケーションを深める環境を提供することは当社の推進する「経営情報の大衆化」に即したソリューションの一部として提供可能であり、アバントグループにとってさらなる成長の機会でもあります。こうした機会についてはグループ経営会議において各グループ代表とグループCEOが検討し、推進することとします。

リスク管理

[リスク管理体制]

アバントグループのコーポレートコミュニケーション室とCRM委員会が情報収集を行い、その対応について議論します。重要な情報についてはCRM委員会を通じて取締役会に報告、適宜議論を行う体制とします。

 

[最大のリスクを想定したBCPの策定]

気候変動リスクに伴う短期間集中豪雨・スーパー台風等自然災害の激甚化に伴うリスクとして、考え得る最大クラスの災害として「東京荒川巨大洪水」、「東京湾巨大高潮」、「大阪湾巨大高潮」の3つのケースについて、発生前後の従業員の安全確保、復興期における生活・勤労支援や、お客様に対するサービスの継続性確保に向けたBCPをCRM委員会において策定し、取締役会に報告します。

定量測定と目標

アバントグループによる温室効果ガス排出量は、燃料の使用等に伴う直接排出(Scope 1)はゼロであり、電気、蒸気、熱の使用に伴う温室効果ガスの間接排出(Scope 2)は2023年6月期で358.734t-CO₂でした。他方、原材料の調達、従業員の出張、廃棄物の処理委託等により発生する間接排出(Scope 3)は2023年6月期で11,119.281t-CO₂でした。中長期的には事業拡大に伴う排出量の増加は避けられない状況下、適正な勤務時間や在宅勤務の推奨を通して電力の過剰消費を抑え、2030年6月期までに温室効果ガス排出総量を4,197.078 t-CO₂(Scope2:360.049t-CO₂、Scope3:3,837.029 t-CO₂)まで削減することを目指します。2021年7月1日よりScope 2排出量に相応するグリーン電力認証を購入し、カーボンオフセットを実現していますが、Scope 3についても様々な手段を組み合わせ、オフセットによる排出量削減を目指します。

温室効果ガス排出量(t-CO_{2})

FY18

FY19

FY20

FY21

FY22

Scope 1

0

0

0

0

0

Scope 2

720.098

740.086

697.379

587.290

516.138

Scope 3

5,481.470

6,684.919

7,925.829

6,622.104

7,446.076

総計

6,201.569

7,425.005

8,623.208

7,209.395

7,962.214

アバントグループによるカーボンオフセットの取組みについて

2021年7月1日より、アバントグループ5社の全社オフィスのすべての電力について、日本自然エネルギー株式会社(本社︓東京都品川区、代表取締役社長 加藤 圭輝)が発行する「グリーン電力証書」を購入し、 グリーン電力への切り替えを行いました。
グリーン電力証書システムは、再生可能エネルギーにより発電された電力 (グリーン電力)の環境付加価値を、証書発行事業者が一般財団法人 日本品質保証機構の認証を得て、「グリーン電力証書」という形で取引する仕組みです。企業はグリーン電力証書を購入することにより、自らが発電 設備を持たなくとも、証書に記載された電力量(kWh)相当分が再生可能エネルギーによって発電されたものとすることが可能となります。グリーン 電力証書に記載された電力相当分の再生可能エネルギーの普及に貢献したものとみなすことができるため、温暖化の原因となる二酸化炭素を抑制する仕組みとして注目されています。

日本自然エネルギー株式会社が
グリーン電力の利用を証するマーク
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日本自然エネルギー株式会社が
グリーン電力の利用を証するマーク

<グリーン電力証書システムの概要図>

アバントグループでは、このたびの契約締結により、グループ5社のオフィスの年間使用電力(150 万 kWh、20 年6月期実績)のすべてをグリーン電力に切り替えることで、二酸化炭素を年間約 660ton-CO_{2}(約 242 世帯の年間排出量に相当※)を削減できる見込みです。アバントグループで は、温暖化防止に向けた効率的な電力活用と自然エネルギーによる発電の普及に取り組んでまいります。

 

※ 平成 31 年度(令和元年度)家庭部門 CO_{2} 排出量より算出