株式会社アバントグループ
代表取締役社長
グループCEO
森川 徹治
謹んで新年のお慶びを申し上げます。
新しい年を迎えるにあたり、「日々是創造」を行動の指針とすることといたしました。言いたいことには特に目新しさはありません。むしろ、これまでやってきたことです。しかし、不確実性の幅が拡大する環境において、自分たちができる行動に集中するために、あえて、年頭の言葉としました。
昨年もたくさんの変化がありました。各所で様々な振り返りがなされているので、ここで触れる必要もありませんが、あえてひとりの会社経営者として注視しているテーマを三つ挙げます。
一つ目は、「マネーの過剰流動性」の上に成り立っている経営力の行方です。
日本に限らず、世界経済はバブルの創造と破壊を繰り返してきました。現在の経済環境も、都市部の不動産や、AI関連や未公開ベンチャー企業の株価など、高騰している資産へのリスクは認識されていますが、今のところ底割れを起こさずに持続しています。しかし、それを支えるマネーの過剰流動性は、個々の企業のみならず、国から個人までの財政規律、つまり経営の実行力を弱めているかもしれません。直観的な不安感を覚えています。
二つ目は、「AIへの過剰期待」による経済の行方です。
現在の全世界の未公開企業を含めた企業価値の合計は、AIへの期待によって大きく膨張しています。実際に稼ぎ出しているキャッシュの総合計と、企業価値とのギャップは、これから生み出されるキャッシュの合計です。投資の視点からは、AIによる労働生産性の向上を背景に投資の安全性を説明する例もありますが、肝心のAIにより生まれる新たなキャッシュ創出のカタチはまだ見えていません。利用者視点で、徹底的に使い倒す必要を感じています。
三つ目は、「情報への過剰依存」による社会の行方です。
SNSをはじめとした情報環境によって、私たちはグローバルだが極めてニッチな情報にトラップされています。オールドメディアと呼ばれる新聞などからの情報と、普段接している自分の趣向に最適化されたネット情報を比べると、個人の思考が偏向していることがよく分かります。また、次々とストレスの低い情報にさらされることで、自分の中に備わる人間としてのあり方のようなものを掘り下げる機会を失っています。むしろ、健全な自己否定が出来る環境が貴重であると思っています。
いずれもどうなるか、自分なりの仮説を立てることはできますが、答えは正直まったく分かりません。「日々是創造」は、この、分からないという前提に立ち、過剰流動性に流されず、過剰期待に乗らず、過剰依存に囚われず、しっかりと、自分たちのお客様の役に立つ活動に集中する。そんな当たり前の、されど案外難しい経営のあり方を言葉にしたものです。それは、健全な目標を持ち、結果はあくまで理想に向けたマイルストーンに過ぎず、お客様や社会に役立つその過程にこそ楽しさや幸せがある。それを大切にしていこう。というものです。
まず、私自身が「日々是創造」というスタンスを体現し、グループ一丸となって、お客様の持続的な企業価値の向上に役立つソリューションやサービス力を磨いてまいります。
本年もみなさまにとりましても実り多き一年となりますことを心よりお祈り申し上げます。