株式会社アバントグループ
代表取締役社長
グループCEO
森川 徹治

 

 

この度の令和6年能登半島地震により、被災された皆さまに心よりお見舞い申し上げます。
皆さまの安全と、被災地の一日も早い復興を心からお祈り申し上げます。

 

今年の年頭のキーワードは「自靖自献」です。
初日の出を見るとすがすがしい気持ちになる。初詣にいくと今年も一年頑張ろうという気持ちが起こる。山を登っているうちに、ふわっとこころが軽くなる。久しぶりにあった家族や友達と話していると、この人達のこと大好きだなぁとしみじみ思う。そういった、心が内側から元気になるような事や、体験は日常のなかにあふれています。これが自靖というものです。

 

生成AIが大きな話題となった昨年ですが、生成AIが大量の自然言語を学習することで、あたかも人間のような会話や作品の創造ができるようになり、創造性すら人間の独自性ではなくなるぞ、というような恐怖感を覚える事もありました。しかし、毎日のように生成AIと対話するうちに自分とAIの言葉の出所に大きな違いがあることに気づきました。それが、冒頭の自靖、つまり五感で感じたことを言語化するという行為です。

 

人間は、言語ありきではありません。生まれた時はだれも言語など知りません。身体五感でいろんなことを感じ、それを声にして人と触れるうちに声が言葉となり、それが文字と結びついて言語になります。つまり、感覚ありきなのです。「自靖自献」とは、心がいい感じになる感性を磨き、その行動に自らを尽くすというような意味です。このいい感じをサステナブルにしようとするほど、面白いほど世のため人のためという考えや行動に至ることは人類の歴史においてすでに証明されている真理の一つでしょう。

 

言語を、実際に存在しないものまで抽象化してあたかもそこにあるかのようにする道具と考えると、経済情報やバーチャルリアリティのような画像情報も同じ種類の道具と言えます。そんな道具に囲まれて生きていく上でこれからもっともっと重要になるスタンスがこの「自靖自献」であると思います。言い換えると、感性を磨いて自分を活かそうというものです。人を幸せにするサステナブルな成長を目指すためには欠かせないマインドセットであると信じています。

 

人的資本経営の根本にこの「自靖自献」を置き、一人ひとりの潜在能力を活かした持続的な事業成長を目指して参ります。

 

本年もみなさまにとりまして実り多き一年となりますことをお祈り申し上げます。