2022年1月4日

株式会社アバント

代表取締役社長 グループCEO

森川 徹治

 

あけましておめでとうございます。

 

今年、アバントグループは創業25周年を迎えます。ひとえに、関わって頂いた全ての方々のおかげで今がございます。この場をお借りして心より御礼申し上げます。

 

1.世界の公器

創業より公器としての会社のあり方を目指しております。会社を社会の公器と見なすという考え方を日本的経営の特徴ととらえ、その考え方を解釈し、自社の経営に活かそうと言うものです。ところが、最近のESGなどの動向を知るにつれ、自身の認識の矮小さを痛感するばかりです。何事も、まず身近なところから役立つのは当たり前ですが、世界は地球という単位で社会をとらえる挑戦を始めています。ESGを制度的にのみ理解するのではなく、企業を世界の公器として捉え事業活動に取り組みたいと思います。

 

2.創造と改善と改革

事業活動はお客様への価値を創造することから始まります。最初に創造ありき、です。事業成長に伴い活動の中心は改善へと向かいます。しかし、改善だけでは必ず行き詰まります。そこで改革という構造転換の壁を越える行動が求められます。そして改革を通して、新たな創造の芽が生まれます。四半世紀の経営経験を振り返ると、経営とはこの創造と改善と改革の循環を大なり小なり、幾重にも折り重ねながら繰り返す活動のように見えます。日本企業の稼ぐ力を高めよと、コーポレートガバナンス改革が叫ばれて久しいですが、改革のみならず、三要素のバランスを取りつつ健全な事業成長の循環を生み出して行きたいと思います。

 

3.マテリアリティ

昨年、当社グループのマテリアリティを特定しました。マテリアリティという言葉の定義が曖昧なので、これをやらねば未来は無い、それほど切迫したものは何か、という問いに置き換えました。お客様、経営陣、メンバー、投資家などさまざまなステークホルダーとの対話を通し、マテリアリティを曖昧にする無自覚の認知バイアスに幾度も気づかされました。物事の本質をつかむのは本当に難しいものです。ジェンダーや人種のダイバーシティも重要ですが、人の認知のダイバーシティを徹底的に活かすことで、客観性と内発的なパッションがシンクロするように思います。

 

紡ぎ出されたアバントグループのマテリアリティは「企業価値の向上に役立つソフトウエア会社になる」ことです。企業価値の向上に役立つという社会的貢献力とソフトウエアというビジネスモデルは現状と大きなギャップがあります。しかし、未来のためには埋めるべきギャップです。本年、グループ一丸となってマテリアリティへの取り組みに専心いたします。

 

それでは、みなさまの健康とご多幸を心よりお祈り申し上げます。